(約 1,800文字の記事です。)
このマガジンはBlender用アドオン「RetopoFlow 3」の使い方の解説集です。
更新履歴 2023年11月01日 執筆。
2023年11月01日 執筆。
RetopoFlow(リトポフロー)とは何か?
RetopoFlowはハイポリメッシュをローポリメッシュにするためのリトポツールです。ハイポリメッシュはZbrushやBlenderのスカルプト機能などで主にスカルプト造型することで作ることができます。それをゲームキャラなどのローポリモデルに変換するためにRetopoFlowを使います。RetopoFlowでハイポリメッシュの形を保ちつつローポリメッシュを半自動で生成できます。
例えばZbrushなどで超絶ハイポリになったメッシュ。データ量で数千万ポリゴンだったり数GBだったりするメッシュデータ。これではVRChatキャラやUnity, UE5用ゲームキャラとして動かせません。RetopoFlowはそれができるように軽量なローポリゴンメッシュに変換するための半自動ツールです。Blenderで使えます。
他のリトポツールとの違い
一般的なリトポ作業は以下の画像のようにプチプチプチプチ……と、面を1つずつ張る作業になります。気が遠くなります。
それに対してRetopoFlowでは基本的に「できるところは簡単操作で一気に面張り」します。
もちろん1面ずつ張ることもできますが、そのような作業は「最終仕上げのキワの部分」だけです😊
非商用なら無料で使えます
あとは実際に触ってみてください😍本来は約86USドル=約12,000円ほどする有料アドオンですが、開発者公認の方法で無料で利用することができます(非商用の利用のみ)。もちろん本マガジンにもその方法を収録してあります。
このマガジンの記事も執筆当時はテストとして無料版も使って執筆していました。もちろん有料版も購入済みですが、動作確認を兼ねて無料版で作業しました。違いが感じられなかったので、Ver.3.1.0以降は有料版で執筆しています。
1~2時間後には実戦投入!
このマガジンは1~2時間で素早くRetopoFlowの使い方の基礎を身に付け、3時間目からは各自の「リトポしたいハイポリメッシュ」に対してどんどんとリトポしていくことを目指して書きました。
なので「細けぇこたぁいいんだよ!早く使いたいんだよ!」という読者の心の声を反映させるように執筆しています😊
具体的には、
- どういうときに
- どういう操作をすると
- どういう結果になる
このシンプルなループを解説の基礎としています。なのでそれ以外の細かいことは記事の後のほうに追加したり、別記事でフォローしています。この繰り返しで素早くRetopoFlowの基礎ツールの使い方を押さえられるようにしています。
よいトポロジの作り方の解説はありません
このマガジンではRetopoFlowというアドオンの使い方の解説書であって、トポロジの作り方・構築のセオリーなどは解説しません。それは各自で書籍などを使って学習して下さい。
というのも、トポロジに絶対的な正解はありません。各自の目的に沿った「最良のトポロジ」は、クリエーターごと・業界ごとにセオリーが異なるので、各自で判断して自由に「理想のトポロジ」を作り上げて下さい。
リグモーションありのキャラクターのトポロジと、フィギュア造形などの固定ポーズ立体造形の「作業効率化のためのトポロジ」は、全く異なります。各自で「最も欲しいメッシュの流れ」を実現させればそれでいいと思います。
【最後に】形作りとトポロジ作りの重要性
スカルプトで形の修正を1回もすることなしに一筆書きのように一発で造形ができますか?ほぼ不可能でしょ?修正技術がとても重要です。
トポロジについても同様です。最初のトポロジを一切変更すること無しに造形が完成しますか?無理でしょ?実は気付かないうちに「造形しながら最適なトポロジを求めていた」のです。
3DCG造型においては
- 形を作ること
- トポロジを制御すること
この2つでワンセットの重要な技術です。ですがそのことを強調した情報をあまり見かけた覚えがありません。
どうかこのマガジンが多くの3DCGクリエーターのお役に立ちますように。
気に入った人は是非ともご購入をお願いいたします😊
大和 司