(約 2,200文字の記事です。)
Blender用アドオンFluentのアプデが出たのでその主な変更点の解説。網羅はしていません。便利になったところだけを解説。
アップデート方法
作者のMr. Rudyから回答があったので正しいアプデの方法と、その前の事前準備(私のオススメ)を書きます。
事前準備
1.環境設定のアドオン項目のうち、過去に自分でカスタムした値を含めたスクショを取っておく。あるいは紙に値をメモする。
ホットキーのカスタム状態なども忘れずにスクショ・メモしておきましょう。
2.次に、Fキー>右側のOther adjustmentsの数値についてもスクショ・メモを取る。
なぜならばアプデによって過去のパラメータが全て初期値にリセットされてしまうからです。なので事前にバックアップ。項目数は多くないので紙と鉛筆でも何とかなるでしょう。
アップデート
1.環境設定のアドオンからFluentのチェックを外す(非アクティブ化)
2.アドオンから削除ボタンをクリック(ファイルの削除)
3.Blenderの再起動
4.最新のFluentのZipインストールを実行
なお、古いファイルを残したまま上書きアプデするとこんな不具合が出ます。なので一度削除して素直に最新版をインストールし直しましょう。
致命的なバグの改善
以下、改善された項目の簡単な解説。
ボックス選択が変わらなくなった
オブジェクトモードでなぜかボックス選択が切り替わるのが切り替わらなくなった。これは鬱陶しかったので速攻で直してもらった。
今は3は不変となりました。
謎のメッシュの重なりの発生がなくなった。
また正確な角丸が変形して崩れるのもこれが原因だった。これも直してもらった。(これはバグの原因を探るのが大変だったけど今は完璧に直っている。)
このバグ修正により、正確な正円の角丸からほんのわずかに変形が入っている。ここが正確な正円ベースの角丸ならば0.50なのだが、諸事情により初期値では0.48に変更された。目で見て分からないほどの微妙な変化なので気にする必要はない。(逆にここが0.5でないと困る人、ここを0.5にして起こるバグについて知っている人以外は、0.48のままでいい)
この項目によって発生していたバグはこの修正でほぼ出なくなった。なので気にする必要はない。普通に使えばいい。
この恩恵はLatest Bevelを適用させたときに特に威力を発揮する。今までは謎のメッシュ重なりがあって悩みの種だったがこれでスッキリ綺麗なメッシュがキープされるようになった。また見た目もほぼ正円のRをキープした角丸のLatest bevelが適用されているので美しい。ようやくツールとしてまともになったと言える。
まるでCADみたいな綺麗なメッシュになるようになった。シンプルな形状の角丸化ならばLatest bevelでいける。
ただし複雑な形状の場合はBlenderの制約上どうしても角丸ベベル時にメッシュの重なりが論理的にも発生し得る。その場合には素直にCADでの角丸化を検討しよう。
角をそれぞれR変化させても正しく動作
角丸Rの大小によってモディファイアを自動で並べ替えてくれる実装をしてもらった。これで、4箇所の角のRの大小を変化させてもメッシュの重なりが起こらずに正しく動作する
ちょっと凝った形の角丸形状を作る際に重宝する。
0.48化とこの改良でかなり使いやすくなった。
グリッドの中心点に白丸
今はグリッドを表示させると中心点に白丸、また回転体で溝を掘る際の中心点を示す十字の2つが初期値でど真ん中に来るように実装してもらった。グリッドは初期値で奇数列に指定するようにお願いしてみたので、実装後は常にど真ん中のグリッドポイントが存在するわけね。そこに白丸を実装してくれたみたい。
何をするにもど真ん中に配置したいことが多かったので提案したら実装してもらえた。
Array(配列)も中心点を基準に配列するようになった(変更可能)
初期値ではチェックがONなので、配列もど真ん中を常に基準にして変化する。奇数列ならば以下のように簡単にど真ん中配置ができる。便利。
マウスホバー+ホットキーで直接編集できるように
一度作ったブールオブジェクトを表示させた状態でマウスホバー+ホットキーを押すと直接編集モードに入れるようになった。これも提案したら実装してもらえた。
ブールオブジェクトの表示・非表示のホットキー実装
デフォルトでは「Grless」というキーが割り当てられている。このキーは日本語キーボードが非対応のキーなので、別途お好きなキーに割り当てると、ホットキー一発でブールオブジェクトの表示・非表示が切り替わる。
これがホットキー化されたわけね。
まとめ
ぱっとみだと大した変更じゃないかも知れないが、ブーリアンに関するメッシュの乱れがなくなり、過去のBlenderから運営が対処していないラウンドベベルの自動ソート機能が実装されたことで、地味ながら他のアドオンでは対処が難しい(と思う)部分が押さえられた。これはツールとしては堅牢性が高まったわけで、より安心して使える信頼できるツールになったと思う。
既存のユーザーはアプデをオススメします。
今回の創作活動は約1時間30分(累積 約1,355時間)
(407回目のnote更新)